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海外留学は、学生として経験できる最もエキサイティングなことの一つです。この経験は一生あなたの心に残り、世界をどのように理解し、さらには将来何をしたいかにまで影響を与える可能性があります。
しっかり準備をすれば、人生の中でも特に楽しい時間を過ごすことができますが、それは現地の言葉でどれだけコミュニケーションがとれるかにもかかっています。
今は大変な時期で海外に行くことも困難ですが、環境が落ち着いたときに余裕を持って渡航できるように、今から準備しておきましょう。
留学前に英語力を上げる必要性の判断方法
手遅れにならないように!
私は20年以上にわたり、英語圏への留学生の準備のお手伝いをしてきましたが、多くの留学生に共通する問題があります。それは、彼らの英語力のレベルが、参加したい留学プログラムの条件を満たしていないことが多いということです。
なぜ大学はその問題をもっと明確にしないのだろうかと思うことがよくあります。大学は留学という素晴らしい機会を提供しているのに、なぜか学生が実際に十分な英語力を持っているかどうかを確認していないのです。大学側は、留学する際には英語が話せるようになる必要があると伝えているのかもしれませんが、多くの外国語を学んでいる学生たちは、これが何を意味するのかを正確に理解していないか、あるいは、留学するために必要な英語力の正確な条件について、母国の大学から十分に知らされていないかのどちらかであることが示唆されています。
では、留学前に英語力を高める必要があるかどうかは、どうやって見極めるのでしょうか?
留学プログラムの種類
もちろん、どの留学プログラムを受けようと考えているかによっても異なります。ここでは、主な留学プログラムの種類と、一般的に必要とされる英語力についてご紹介します。
6ヶ月間の短期プログラム
これは通常、留学期間中ほとんどが英語の勉強になり、時には母国の大学の学位プログラムに関連した講義を受講しなければならないこともあります。
必要な英語の条件
- 買い物や電車やバスの切符購入などの基本的なことができるようになる必要があります。
- しかし、それだけではなく、友達を作りたいという気持ちもあるでしょうから、他の生徒とフレンドリーに会話をしたり、相手の言っていることを理解したりできるだけの社交的な英語力が必要になってきます。
- 講義を受講する必要が無ければ、語学講座だけを受講するだけでしょうから、特にレベルが低くても問題ありません。
準備
自分の英語がこのレベルのコミュニケーション能力があるかどうかを確認して下さい。
- 2ヶ月から3ヶ月間の学習
既に、基本的な自己紹介をして、自分の興味のあることを簡単な文章で言ったり、家族のことを話したりすることができれば、他の学生と十分にコミュニケーションが取れるようになるには、少なくとも2~3ヶ月間のやや集中的な英語学習が必要でしょう。
年間海外留学プログラム/ファウンデーション準備コース
1年間留学プログラムは、通常、自国の大学の学位プログラムの一部とういう場合が多いでしょう。つまり、短い6ヶ月の語学研修プログラムより、より多くの講義、セミナーに出席し、さらには課題を書くことを必要とします。
ファンデーションコースでは、通常、語学コースといくつかのアカデミックコースを受講し、学位プログラムで勉強できるように準備します。
必要とされる英語のレベル
- 大学にもよりますが、ほぼ間違いなくIELTSスコア5.5~6.0が必要になります。IELTSのスコアは以下を参照してください。
- 論理的な思考力と構成力を示す、基本的な英語の学術論文が書けるようになる必要があります。
- 履修科目に関連した講義の要点を理解できるようにする必要があります。
- セミナーのディスカッションに参加することが求められます。セミナーといっても、その国の伝統によって意味合いは異なりますが、少なくとも英語圏のセミナーでは、かなりの量になることもある下調べの為の読書を行い、セミナーではそのトピックに関連した重要な論点についてディスカッションをすることが求められます。このようなセミナーに参加しているかどうかが評価されることもありますので、しゃべらないと不合格になることもあります。
- セミナーでは、学生が次々とアイデアを出し合い、全員がそれぞれの要点を議論するなど、非常に盛り上がることがあります。これはとてもエキサイティングなことですが、慣れていない人は、海外に行く前に練習が必要だと思います。私の経験では、このようなディスカッションの経験がない学生が、効果的にこれらセミナーのディスカッションに参加できるようになるには、半年程度の練習が必要でしょう。
準備
英語でこのレベルのコミュニケーション能力があるかどうかを確認しましょう。
- 2~3のエッセイを書き、語彙や文法の間違いが有れば、英語の先生に下線を引いてもらいましょう。先生にその間違いを訂正しないように頼みましょう。自分で訂正してから、エッセイを再度先生に返しましょう。
2つの文章で1つ以上の間違いがある場合、これを改善し、留学できるレベルに到達するためには少なくともも3~4ケ月の語学学習が必要になることは間違いありません。 - 特定の社会問題について先生と話し合う。それを録音する:再生し、流暢に自分自身を表現できたか、また、自分がしたかったポイントをすべて明確にすることができたかを確認する。
先生にお願いして、あなたが回答するたびに間違えた数をメモしてもらいましょう。上記の小論文の書き方と似ているはずです。 - 即座に自然な反応ができなくて、反応するのに4秒~5秒もかかってしまうと、セミナーにうまく参加できない可能性が高いです。これを改善するためには、最低でも3~4ヶ月は定期的に繰り返し練習する必要があるでしょう。
学部及び大学院の学位コース
1年間留学プログラムは、通常、自国の大学の学位プログラムの一部とういう場合が多いでしょう。つまり、短い6ヶ月の語学研修プログラムより、より多くの講義、セミナーに出席し、さらには課題を書くことを必要とします。
ファンデーションコースでは、通常、語学コースといくつかのアカデミックコースを受講し、学位プログラムで勉強できるように準備します。
必要とされる英語のレベル
- 大学にもよりますが、ほぼ間違いなくIELTSスコア5.5~6.0が必要になります。IELTSのスコアは以下を参照してください。
- 論理的な思考力と構成力を示す、基本的な英語の学術論文が書けるようになる必要があります。
- 履修科目に関連した講義の要点を理解できるようにする必要があります。
- セミナーのディスカッションに参加することが求められます。セミナーといっても、その国の伝統によって意味合いは異なりますが、少なくとも英語圏のセミナーでは、かなりの量になることもある下調べの為の読書を行い、セミナーではそのトピックに関連した重要な論点についてディスカッションをすることが求められます。このようなセミナーに参加しているかどうかが評価されることもありますので、しゃべらないと不合格になることもあります。
- セミナーでは、学生が次々とアイデアを出し合い、全員がそれぞれの要点を議論するなど、非常に盛り上がることがあります。これはとてもエキサイティングなことですが、慣れていない人は、海外に行く前に練習が必要だと思います。私の経験では、このようなディスカッションの経験がない学生が、効果的にこれらセミナーのディスカッションに参加できるようになるには、半年程度の練習が必要でしょう。
準備
すぐにできる最良の方法は、できるだけ英語での読書を始めることです。
- 学生がIELTSの準備のために語学学校に来るほとんどの場合、必要なスコアよりも少なくともフルスコアで1つ下のレベルです、これはほ全体的に語彙の不足が原因です。
- いよいよ海外に行く時には、読まねばならない読書量は膨大ですので、行く前により多く準備できれば授業が始まる前には準備万端となるでしょう。
また、グループディスカッションでは、自分の意見を明確に表現できるようになる必要があります。多くの国では、この分野の練習が十分に行われていないことが多く、留学した際には、セミナーに効果的に参加することができなかったり、教授とのディスカッションでも苦戦したりします。
できるだけ多くのエッセイを書くことで、自分の意見を明確かつ論理的に表現することに集中し、徐々に適切な言葉を使っていけるようになります。最終的には、練習を重ねることで、努力が報われ、会話の中で自分の意見を流暢に、そして明確に表現できるようになることに気づくでしょう。
多くの生徒さんは、「もっと話す練習をすればいい」と思っていますが、実際には、自分の意見や考えをじっくりと考える時間が取れていないことが大きな問題の一つです。このように、時間をかけて自分の考えや意見を書き出すことで、実際に話すときの表現力が格段に向上していくのです。
IELTS テストの準備
留学したいと決めたら、英語力だけでなく学力も試されるIELTSテストを受ける必要があることはほぼ間違いないでしょう。
あなたが必要なIELTSスコアは、受講しようと思っているコースの種類によって異なりますので、上に書いたポイントに目を通し、おそらく必要になるであろうIELTSスコアを確認してみましょう。
IELTSテストの対策は?
IELTSは英語力と学力の両方をテストします。そのため、できるだけ早く両方に集中して勉強することが一番の近道です。
学生は、IELTS対策本を何冊か購入したり、オンラインサイトを訪問したりして、自分でテストの勉強をしようとすることがよくあります。それでテストを受けて必要なスコアを得られれば、それは素晴らしいことです。
残念ながら、テストの複雑さ、特にアカデミックな側面では、受験生が購入した本であっても、さらに助けが必要になってしまいます。
私が思うベストなアプローチ
IELTSコースを提供している語学学校をいくつか訪問して、あなたの今の英語力のレベルを評価してもらい、あなたが必要とするスコアを取得するためにどのくらいの時間が必要かのアドバイスをもらえるかを確認してください。あなたが住んでいる場所にもよりますが、これらのコースには高い費用がかかることを覚悟しておきましょう。
そしてその語学学校が、自分が取り組むべき学力と必要な語学力の両方をアドバイスしてくれるかを確認しましょう。
- ほとんどのIELTS対策コースは、IELTSテストのアカデミックなスキルにのみ焦点を当てています。そのため、語彙や文法に特化したコースを追加で受講するか、独学で勉強する必要があります。
- 英語でアカデミック学習をしたことがない人は、基本的なエッセイを書けるようになり、自分の考えを論理的に口頭でプレゼンテーションできるようになり、リーディングとリスニングのテストを効率良くこなせるようになるためには、最低でも30~40時間の基礎的な勉強が必要になる可能性が高いでしょう。
いつ受験するのが良いのでしょうか?
IELTSのテストを複数回受ける方も多いですが、私はそれをお勧めしません。
自分の現在の基本スコアを知るために最初にテストを受け、その後、必要なスコアを達成するためのフルコースの勉強、IELTS準備コースを行うことをお勧めします。
しかし同時に、これらのIELTS対策コースは必要なことのほんの一部であることを理解しておく必要があります。読書、模擬テスト、英語のテレビ番組を見たり、英語を話したり、英語を書いたりすることにできるだけ多くの時間を費やすことを忘れてはいけません。半年間大量の勉強をした後でも、大幅な上達はなかなか望めないのが普通です。ですので、半年に一度の目安でテストを受けるのが最も適切な時期と言えます。
英語漬けになりましょう
自宅では、できるだけ多くの英語の本を読み始めましょう。毎日15分程度読めるようになれば、すぐに毎日30分程度まで読めるようにしっかり習慣化されます。普段、あなたがしなければならない他のすべてのものと同じで、それで十分でしょう。
できるだけ多くの英語のテレビ番組を見て下さい、そしてフレーズを書き留めるためにノートを用意しておきましょう。ノートを持っていないと、せっかくの語彙を増やす機会を失ってしまいます。
Cambridge Ielts 9 Student’s Book with Answersは、練習を始めるのに適しています。
実用的な英会話の準備も大切
いざ海外の大学に着いてみると、銀行口座の開設の仕方や、様々な事務手続きでの大学のスタッフへのアプローチの仕方、宿泊先の問題への対処の仕方などが全く分からないことに気づくかもしれません。
あなたが母国を離れる前に、留学先の地域の事を少し調べておくことが良いでしょう。完璧にする必要はありませんが、必要になるかもしれない言葉やフレーズの種類をメモしておけば、不安やストレスがかなり軽減されるでしょう。
これらに必要な言語を中心に6~7回のレッスンをしてくれる個人の英語教師は比較的簡単に見つけることができるでしょう。良い語学学校を知っている場合は、その学校を訪問して、そのようなサービスも提供できるかどうかを尋ねましょう。ほとんどの場合喜んで対応してくれるでしょう。
友達作りと社会交流
ようやく新しい国に着いても、そのための時間が取れないかもしれません。勉強にも追われるでしょう。しかし、友達の大切さは誰もが知っています。病気になってしまったとき、孤独を感じているとき、落ち込んでいるときなど、信頼できる友人の存在は欠かせません。
グループの中で話す練習をするように努めましょう
先生との個人レッスンでしか勉強したことがない人は、複数の人達の間のテンポの速い会話に対応することができない可能性が高いです。
語学学校がプライベートレッスンを推進しているのは、生徒の個々の言語学習のニーズに焦点を当てることができるためよくあることです。しかし、その中でも最も重要なニーズの一つは、社会生活の中で機能することです。通常、一人だけでは機能しません、セミナー、懇親会、会議などのように、複数の人達と対応しなければなりません。
それは必ずしも多くの練習を必要としないかもしれません、それはあなたの言語レベルとあなたがどの程度内向的または外向的であるかにも依るからです。
もしあなたが、より外向的であれば、必要なグループレッスンが10~15回程だけかもしれません、どんな問題についてグループ内で話したり聞いたりしているのかをある程度把握できて、そして練習がこれらの問題を克服してくれます。
しかし、かなり恥ずかしがり屋さんで内向的な場合は、もう少し練習する機会が必要かもしれません。